明治9年に家督を継いだ13代茲明は、西洋の知識を積極的に吸収しようと、19歳の若さでイギリスに留学し、早くからその才能を開花させています。続く明治19年には、美術を学ぶためにドイツに渡りました。美術を専攻するにあたっては、哲学者西周から、
あなたは、恵まれている人である。よってこの際、他の人のやらない学問をすることが、国家社会に尽くすことにもなる。だから、誰もやらない美術や美学をおやりなさい。
との勧めがありました。実際、美術は茲明のライフワークとなり、西の助言は正に茲明の性格を見通した的確なものでした。
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